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【新聞記事より】死亡リスク高める座りすぎ
2020/07/20
在宅勤務中の20代~50代男女(会社員)を対象にしたあるアンケートの結果、約8割の人が、「座って仕事する時間が増えた」と回答しています。1~3時間増えたが4割強で最も多く、3~5時間が約2割、5時間以上の回答も2割弱ありました。また、「自宅で出来る運動をしている」のは半数以下でした。30分に1回立ち上がって動いたり、強めの「貧乏ゆすり」したりするとよいと思います。もともと、世界でも座って仕事をする時間がトップクラスの日本で、新型コロナ感染症は座りすぎをさらに助長させているわけです。紹介した調査でも、6割弱の人が、「在宅勤務になり体への影響がある」と答えています。
座りすぎはガンを増やすという多くの研究結果が出ています。しかし、座っている時間については自己申告でしたから、正確さに欠ける問題がありました。6月、一流医学誌に掲載された米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究では、対象の約8,000人に加速度計を装置してもらい、座っている時間と動いている時間を連続する7日にわたって、正確に調べました。その結果、肥満や喫煙などのリスクファクターを調整しても、長く座っている人にがん死亡が多いことが明らかになりました。
がんで亡くなった268人を、座る時間の長さで比較したところ、最も長いグループは最も短いグループに比べて82%も死亡リスクが高いことが分かりました。この研究では、座っている時間30分をウォーキングなど軽度な運動にあてることで、発がんリスクを8%下げることができるとしています。さらに、中度の運動に置き換えれば31%もリスク低下につながるといいます。座りすぎはがんを増やすだけでなく、心にも悪影響を与えます。1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、メンタルヘルスの悪い人が約3倍も多いという調査もあります。
コロナ禍は在宅勤務という新しい勤務形態を広げました。しかし、長時間じっと座っていることは危険です。在宅での「働き方改革」を進める必要があるでしょう。(東京大学病院 中川准教授)
30分に1回、集中すると忘れそうですが…水分補給・屈伸・トイレ等を30分ごとに取り入れてみましょう!