【新聞記事より】年重ねても知的能力は成長

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【新聞記事より】年重ねても知的能力は成長

2021/02/1 

年齢を重ねると、文字が見えずらい、よくつまずく、複雑なことを理解するのに時間がかかるなど困りごとも増えてくる。一方で「年の功」というように、豊富な経験があるからこそ、若者にはない年長者の技能というものもある。
英国の心理学者キャッテル博士は、1980年ごろに知的機能を「流動性知能」と「結晶性知能」に分類し、老年医学研究に影響を与えた。流動性知能は、生まれつき備わった知的能力。新たなことを習得し環境に適応するために必要な能力をさし、20代でピークに達して加齢とともに低下するといわれている。
一方の結晶性知能は、経験や教育などを通して蓄積されていく能力で、加齢とともに増大していく可能性を持っている。私たちが自覚する能力の低下の多くは、流動性知能と思われる。万年筆を例えにすると、使い込むうちにペン先もなじみ書きやすい状態に育っていく。これが流動性知能である。長年使うちにペン先もすり減るが、その万年筆で書かれた文字は円熟味を増すようになる。これが結晶性知能だ。大切なのは、両知能は独立しているのではなく相互に影響しあうということ。いくら生まれつきの良い流動性知能を持っていても、その知能を発達させる環境がなければ経験も豊かにならず、結晶性知能の発達も促しにくい。
「可愛い子には旅をさせよ」とはよく言ったもので、流動性知能が発達段階にある時期に様々な学習や経験を積むと、その後の結晶性知能の発達にもつながるのであろう。人生100年時代という言葉もある。一見、畑違いと思うような分野でも、今まで獲得した多くの引き出しが使えるはず。でも引き出しを開けるきっかけも大切。「成熟した大人も旅をせよ」という考え方もありなのだろう。(神田東クリニック院長・高野知樹)

人生100年時代!スタートに遅い事はない!
心が躍るような新しい事にチャレンジしましょう♪

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