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【新聞記事より】増える心不全、予防策は ~生活習慣病まず見直しを~
2020/10/19
日本人の死因の第2位となる心疾患のうち、約4割を占めるのが心不全。入院患者は毎年1万人ずつ増加。2030年には130万人に達すると推計されている。爆発的な流行になぞって「心不全パンデミック」と呼ばれ、対策が急がれている。心不全は心臓から血液を送り出すポンプ機能が低下し、全身に血液が行き渡らなくなる病気だ。このため、疲労感や手足の冷えなどが出る。また、血液が心臓に戻る機能も弱まって血液が滞り、むくみや息切れが生じる。徐々に悪化して命を縮める。特徴は、いったん症状が悪化してしまうと治療にかかった後も、苦しく動けないなど身体活動が制限されるようになることだ。東京大学循環器内科の小室教授は「予後が悪い病気として、がんを連想する人が多いが、実は心不全の方が悪い。がんの平均的な5年生存率が約7割に対し、心不全の4年生存率は約6割」と指摘する。とはいえ、「心不全は多くの場合、本人の努力次第で予防できる。適切な治療で重症化を防げることが、がんと大きく異なる」。では、どのように予防すればいいのか。心不全は心臓に負担がかかることで発症する。医療法人ゆみのの弓野理事長は「一番の要因は動脈硬化。放置すれば心臓の機能を低下させ負担をかける原因にもなる」と指摘する。心不全予備軍といえる高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病を予防することが大切だ。既に、こうした病気を抱えてる場合は、塩分を控える、過食しない、禁煙する、定期的に運動するなど生活習慣病を見直す。必要に応じて薬物治療を受ける。心筋梗塞や心房細動などの不整脈、弁膜症や心筋症など心臓自体の病気も心不全の原因になる。こうした心臓病が放置されたまま、心臓の機能が落ちた状態が続くと発症のリスクが高まる。「過労や暴飲暴食、感冒が一押しとなり、心不全を引き起こすので注意が必要だ」(小室教授)。心臓の疾患を指摘されたら循環器の専門医療機関で適切な治療を受けたい。
初期症状として、息切れやむくみ、疲労感、手足の冷え等が起きる。ありふれた症状なので見落としさないよう気を付けよう!