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【新聞記事より】オーラルフレイル ~口を鍛えて、衰えを防げ~
2019/12/2
高齢になっても、おいしく食べ物を味わいたい。多くの人がそう願っているはず。そのためには、食べる力を維持するための訓練が有効だ。最近は、楽しくできる訓練法が色々と出てきている。
口には「食べる」「飲み込む」「息をする」などの様々な機能がある。これらの機能が衰えることを、口の中の虚弱(フレイル)ということで「オーラルフレイル」と呼ぶ。このオーラルフレイルの予防に向けて活動している利根保険生活協同組合・利根歯科診療所(群馬県沼田市)の中沢所長が取り入れているものの一つが、楽しみながらできる「吹き戻し」を使った口の機能の訓練法だ。子供の時に遊んだことがあるだろう。クルクルと巻かれていた紙筒が、息を吹き込むとビローンと伸びていく、あれだ。普段、何気なく繰り返している「食べる」という行為は、実は歯で食べ物をかむだけではなく、舌で食べ物をまとめたり、飲み込んだりといった複雑な動きが機能することで成り立っている。中沢さんは「自らの歯を残すことはもちろん大事だが、それとともに口の周りの筋肉を衰えさせないことも、とても大切」と話す。吹き戻しを使った訓練では、呼吸の能力とともに、飲み込むための筋肉を維持することなどにつながる。訓練用の吹き戻しもある。介護用品の開発などを行う「ルピナス」では、県立広島大保険福祉学部などと共同研究を進め、呼吸力に応じて吹き口の大きさや巻き戻すのに必要なワイヤの数を調整。「ティッシュペーパーを1枚吹いて揺らす程度」「日常会話をはっきりとした声で話す程度」「ろうそくの火を吹き消す程度」「成人女性の平均的な呼気圧程度」といった4段階のレベルを設定した吹き戻しを販売している。自分の口の能力に合わせた訓練ができ、続けることでレベルアップできる。オーラルフレイルになった高齢者は、4年後に身体的なフレイルになるリスクと要介護になるリスクがいずれとも2.4倍になり、さらに死亡リスクが2.2倍に上がるという研究結果も出ている。口の機能が衰えることで、食欲がなくなったり、うなく話せなくなって他人との会話がおっくうになったりすることが関係していると考えられている。口の健康が全身の健康につながっているのだ。2018年度からは、原則65歳以上で飲み込む力や舌の機能の低下などが進んだ「口腔機能低下症」と診断されると、医療保険で治療を受けられるようになった。「マンガでわかる オーラルフレイル」の共著がある大久保・元日本歯科医師会長は「食べる力は、生きる力。オーラルフレイル予防に取り組むことで、いつまでもみんなで楽しく食卓を囲んで欲しい」と話している。
オーラルフレイル予防を、遊びながらできるスポーツ競技として各地で普及していこうという活動がすすんでいるそうです。訓練をゲームにする…良いアイデアですね!