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【新聞記事より】脂質異常症 放置しない
2020/10/5
健康診断でコレステロール値が高いといわれても、症状がなく放置する人も多い。しかし、脂質異常症は動脈硬化を進め、心筋梗塞など命に関わることもある。自分のリスクを知って、早く適切に対処したい。「40~50代の4~5割は健康診断で何らかの脂質異常症がある」。国立長寿医療研究センター理事長の荒井氏はこう指摘する。脂質異常症とは、血液中の脂質のバランスが悪いこと。悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロール値が基準値より高い、善玉のHDLコレステロール値が低い、中性脂肪が高いなど、いずれかに異常値がある状態だ。
一方、コレステロール値が高くても特に症状がなく危機感を抱きにくいため、放置する人が多い。しかし、脂質異常症の状態が続くと、血管が硬くなったり、内側に死亡がつき血行が悪くなるなどの動脈硬化が進む。心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化性疾患や認知症を引き起こす。これらの病気は日常生活に支障をきたすうえに死亡要因の約24%を占め命に関わる。「動脈硬化性疾患予防のためにも早めに脂質を改善することが大切。最近では動脈硬化が新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクを上げることもわかっている」。千葉大学医学部付属病院の横手病院長は警鐘を鳴らす。治療の基本は生活習慣の改善だ。まずは食事を見直す。動物性脂肪などはLDLコレステロール値を上げるので控える。油についてはマーガリンならトランス脂肪酸を抑えたものを選び、青魚に多いn-3系油をとるように心がける。「ただし、もともと取っている量や体質により、食事の見直しによる効果の度合いが違うので、まずは数カ月続けてみる」(横手氏)
運動も欠かせない。ウオーキングや水泳などの有酸素運動を中心に1回30分以上、少なくても週3回行う。「筋肉が落ちる50代以降はスクワットなどの筋トレなども組み合わせるといい」(荒井氏)低~中リスクの人は食事と運動で数値が改善する傾向にある。「3~6カ月生活習慣を変えても改善しない場合には薬による治療を考える。低リスクの人は不要なことも多いが、高リスクの人は早めに検討する」(横手氏) 治療薬でまず使われるのが肝臓でのコレストロールの合成を抑えるスタチン。効果が十分に出ない場合は、小腸からのコレステロールの吸収を抑制するエゼチミブなどを併用するのが一般的だ。
まずは、自分のリスクの度合いを見極め
根気強く脂質異常症を改善していきましょう!