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【新聞記事より】差額ベッド代 本当に必要?
2020/09/7
「念のため入院して検査をしましょうか」。都内に住む会社員のAさんは90代の母が体調を崩して運ばれた病院でこう提案された。ただし大部屋は満床で、1日1万1000円の個室しかないという。「検査の結果次第で入院が長引くと、10万円以上になるかもしれない」とAさんは不安を漏らした。
個室などに入院した場合に病院から請求されるのが「差額ベッド代」だ。1室のベッド数が4床以下で、1人当たりの広さが6.4平方㍍以上といった条件を満たすと対象になる。差額ベッドの内訳を部屋のタイプ別にみると1人部屋が全体の7割弱を占め、1日当たり平均料金は7,907円となっている。利用者は高齢者が多いとされ、入院日数も長引きやすい。仮に1人部屋に30日入院すると、平均料金の単純計算では約23万円になる。しかもこうした費用は全額自己負担だ。1カ月の医療費が多額になった場合に自己負担額を一定限度に抑える高額医療制度があるが、差額ベッド代は対象外。確定申告に医療費控除も原則として受けることはできない。
ただし病院から差額ベッド代を請求されても、実は払わなくていい場合がある。厚生労働省が病院向けに出した通知で、差額ベッド代を患者に請求できないケースを3つ示しているためだ。まず患者の同意がないケースだ。病院は差額ベッド代が生じる個室などに入院させるときは患者に説明し、室料を記載した同意書に署名をもらう必要がある。2つめは治療上の必要がある場合だ。手術で症状が重篤なため安静にしなければならないときなどが該当する。3つめが病棟管理の必要性から入院させる場合。例えば感染症の患者の感染防止のため個室に入れたり、差額ベッド以外に空きがなかったりするときだ。
しかし「厚生労働省の通知を十分に理解していない病院もある」ので確認を求めることが大切だ。
差額ベッド代の同意書を持ち帰りたいと要望することは可能です。冷静になり、3つの条件に該当しないか確認することが大切です!