【新聞記事より】血液1滴で早期発見に期待・上

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【新聞記事より】血液1滴で早期発見に期待・上

2019/11/5 

「エクソソーム」は細胞から分泌される直径100㌨㍍前後の顆粒状物質です。エクソソームの表面には細胞膜の成分が、内部には細胞内の物質が含まれるため、分泌された元の細胞の特徴を反映しています。
血液中に放出されたエクソソームは細胞間で情報伝達を行うコミニケションとして働いていると考えられています。とくに、エクソソームが含む「マイクロRNA(リボ核酸)」が、がんの進行や転移に深く関わることが明らかになってきました。
マイクロRNAは20個前後の少数の塩基対から成るRNAの1種です。遺伝子の発現を調節する機能を持ち、人間の体内では約2700種類が見つかっています。
がん細胞から分泌されるエクソソームは、がんが生存しやすいように周辺の環境を整えたり、免疫細胞の動きを抑えたりします。さらにがん病巣への栄養を供給するための新生血管を誘導することも知られています。また、悪性度の高いがん細胞から放出されたエクソソームが悪性度の低い細胞に働きかけ、その細胞の性質を変化させることも知られています。
がん細胞には、凶暴で無謀なイメージがありますが、実は、巧みに情報発信をしながら、増殖に有利な環境を作っていることが明らかになってきました。私たちが、SNSで情報発信しているのに少し似ています。
エクソソームは分泌元の細胞の特徴を反映しているのに加えて、体液中に存在していることから、がんをはじめとする病気の判断に使えるのではないかと注目を集めています。とくに、エクソソーム中のマイクロRNAは、がんを早期に発見したり、再発の兆候をいち早く捉えたりする新しい「マーカー」として大いに期待されています。
各臓器のがんには、特徴的に発現しているマイクロRNAがあり、血液中の量が変動します。しかも、マイクロRNAは、通常の画像診断では発見できないがんの「超早期」段階でも、変動します。血中のマイクロRNAは血液1滴で測定でき、多くのがんの存在を1度に検査することが可能です。

ちょっと仕組みは難しいですが、血液1滴で、超早期の多くのがんの存在を一度に検査することが出来るのは素晴らしいですね!

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