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【新聞記事より】がん治療法 ともに選べるように
2019/06/3
私たちのグループは、がん治療の現場でも広まっているセカンドオピニオンについて、関連する実態調査と分析を放射線治療装置メーカーのバリアン社と共同で行いました。対象者は、特定の臓器のがんの診断を受け、診断期間を覚えてる1032人です。子宮頸がん、前立腺がん、肺がん、頭頸部がん、食道がんなど、放射線治療単独あるいは抗がん剤との併用で、手術と同等の効果が期待できるものが中心です。ガンの種類を問わず、約9割は医師から手術を推奨され、ほとんどそのまま治療を受けていました。一方、放射線治療は2割強が受けるにすぎませんでした。たしかに、自分自身が治療方針に積極的に関与したいのは3割にすぎず、すべて医師任せの人が3割もいました。セカンドオピニオンはほぼ全員が知っていましたが、半数は名前を知っているにすぎず、実際に受診をしたのは2割にとどまりました。ただ、乳がん、前立腺がんの患者では受診経験者が比較的多くいました。また、放射線治療を受けた患者は治療方針に積極的に関与する人が多く、セカンドオピニオンの受診率も高い傾向にありました。
大きな問題は、患者の意向が十分満たされていない点です。複数の治療法(医師が勧めるもの以外の治療法)を知りたいと思っていた患者の割合は7割強でしたが、実際に他の治療法に関する説明を受けた患者さんは4割強にすぎませんでした。がん患者は治療法の選択肢について多くの情報を得たいと思いながら、実際には選択肢が提示されていない実情が明らかになったと思います。放射線治療を受けた患者の満足度は手術患者より高いという結果も出ています。セカンドオピニオンを含め、十分な情報をもとに判断することが大切です。患者さんが医療者とともに治療法を選ぶ体制が望まれます。(東京大学病院准教授)
インターネット等で調べる事が出来ない人もいます。
最初から治療法を提示するようにしてもらいたいですね。